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イルマリネン (海防戦艦) : ミニ英和和英辞書
イルマリネン (海防戦艦)[かん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

海防 : [かいぼう]
 【名詞】 1. coastal defense 2. coastal defence
防戦 : [ぼうせん]
  1. (n,vs) defensive fight (battle) 
: [いくさ]
 【名詞】 1. war 2. battle 3. campaign 4. fight 
戦艦 : [せんかん]
 【名詞】 1. battleship 
: [かん]
  1. (n,n-suf) warship 

イルマリネン (海防戦艦) : ウィキペディア日本語版
イルマリネン (海防戦艦)[かん]

イルマリネン(Panssarilaiva Ilmarinen)はフィンランド海軍海防戦艦イルマリネン級海防戦艦の一隻。1929年9月起工、1931年7月9日に進水した。就役は1934年4月17日である。艦はフィンランドトゥルクにあるクライトン・フルカン社造船所で建造され、フィンランドの民族叙事詩カレワラに登場する英雄イルマリネンにちなんで命名を受けた。イルマリネンは1933年5月1日から沈没の1941年9月13日まで海軍の旗艦だった。
== 経緯 ==

戦間期の早期、フィンランド海軍は以前ロシアに属していた約30隻の艦艇で構成されており、これらの多くはフィンランド内戦に続く戦利品だった。海軍の必要とする物としては全く理想的でなく、これらの艦は一般に旧式かつ貧弱な状態だった。1925年、悲惨な事故が海軍の劣弱な状態に光を当てた。旧式魚雷艇が1隻、乗員全53名とともに大嵐の中で失われた。熱心な論争が始まり、激しいロビー活動によって1927年に新しいフィンランド海軍の決議が採択されるに至った。
第二次世界大戦前、艦隊の近代化計画により、5隻の潜水艦、4隻の魚雷艇、2隻の海防戦艦の取得もしくは建造に至った。艦種としては最後期のヴァイナモイネンとイルマリネンは、建造された中では最も集約的な2隻の艦砲部隊だった。これらの艦はオランダの企業であるNV Ingenieurskantoor voor Scheepsbouwによって設計され、またバルト海の群島での作戦において最も有効活用された。これらの艦は、浅い乾舷と極めてコンパクトな設計を艦に与えるという指示により、外洋での性能を重視していない。
海防戦艦北欧諸国で特に人気があり、20世紀初頭にはデンマークスウェーデン、そしてノルウェーで就役が始まっていた。これらの艦は普通、高火力と良好な装甲防御を持つものの、速力が比較的遅かった。こうした艦の大きさはおよそ4,000トンで、主兵装は210mmから240mmの主砲から構成され、防御は装甲巡洋艦に相当した。また速力は15ノットから18ノットである。海防戦艦は巡洋艦モニターの間に位置する。巡洋艦よりは遅いが良好に防御され、モニターよりは軽快であるが砲兵装が小さい。海防戦艦もまた、それ自体が多様である。これらの艦の幾つかは巡洋艦に近く、フィンランド海軍のそれはモニターに近い。
1933年7月9日、同級の中で二番目となったイルマリネンはトゥルクの造船所で進水した。この艦は最終試験を経て1934年4月17日にフィンランド海軍に引き渡された。姉妹艦であるヴァイナモイネンはイルマリネンに約2年先行していた。
これらの艦はコンパクトな設計を有し、高いマスト、そして主砲及び副砲用の大型の砲塔を装備する。艦に対する海外の意見は洒落から賞賛まで多岐に渡った。外洋での作戦のために設計されたものではないこれらの艦は、穏やかな海域でさえ旋回が遅く、要する距離も広かった。これらの艦の航行は快適では無いものの安全と考えられた。追加の竜骨が後に装着され、状態を幾ばくか改善した。
ヴァイナモイネン及びイルマリネンの排水量は3,900tであり、全長は93m、喫水は4.50mである。速力と航続距離の必要性は、これらの艦が駐留泊地の近くで作戦を行う想定であることから緩和されていた。両艦とも4基のディーゼルエンジンを装備し、2基の電動エンジンを駆動した。これらは総計4,800馬力を出力した。また、より小型の100馬力補助ディーゼルエンジンが2基備えられていた。最大速力は14.5ノットで、またこれらの艦は重油93tの容量しか持たなかったことから航続能力がさらに制限された。
艦の大きさに対して4門のボフォース製254mm砲は強大であり、またこれらは225kgの砲弾を射程31kmまで撃ち出した。副砲はボフォース製105mm両用砲で、4基の砲塔に8門を備えた。こうした兵装は主に高速魚雷艇や航空機に対して防御を行うものだった。加えて、これらの艦は当初4基のイギリス製ポンポン砲を装備しており、後の冬戦争中に劣性能であることからボフォース製の機銃と交換された。また2挺の20mmマドセン機銃を装備し、後には8挺に増強された。
海防戦艦の任務は揚陸作戦の抑止、そして死活に関わる海上通商に脅威をもたらす洋上封鎖である。ツァーリによる統治の時代に巨大な防御システムが構築されたおかげで、フィンランドは定位置に強固な沿岸砲台を持っていた。こうした防御兵力は、不穏な時期には地雷原で補われることとされていた。海軍の主要な目的の1つは、内海の島々に配備された地上部隊のために時間を稼ぐことだった。こうした限られた領域において、254mm主砲で武装した海防戦艦は、同時代のどのような艦艇であっても手ごわい敵となった。
ソビエトのバルチック艦隊は明白な脅威であり、フィンランド海軍の艦艇はより大きなソ連軍艦艇の阻止を意図していた。戦艦マラート、戦艦ガングート、また巡洋艦キーロフはフィンランドの海岸に大胆に肉薄していた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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